DiskDeleterシリーズに搭載されている消去方式を紹介します。
ソフトウェアによるデータ消去は、データを「削除する」のではなく、HDD上にあるデータに対して固定値や乱数の値を「上書き処理」を行い、データを復元できないようにします。
推奨する消去方式 | グレード1~4 | グレード5~14 | グレード15~16 |
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対象 | 社員・個人データ | 機密情報・顧客データ | 社員・個人データ/機密情報・顧客データ |
用途 | 企業内・家庭内で再利用 | 廃棄・リース返却 | Serial ATA接続ディスク(SSD)の廃棄・再利用 |
特長 | ・一般的なソフトウェアでデータ復元は不可能
・残留磁気を読み取る装置を使用すれば復元できる可能性あり ・データ消去時間が短い |
・ソフトウェアおよび残留磁気を読み取る装置でデータ復元は不可能
・高度な消去方式の為、データ消去時間が長い |
・ソフトウェアおよび残留磁気を読み取る装置でデータ復元は不可能
・研究所レベルの復元技術を用いても復元不可能なSATA/IDE SSDに用意されているコマンドを使用し高速消去 |
HDD / SSD の推奨データ消去方式は、
「データ消去に関するベスト・プラクティス」をご参照下さい。
16種類の消去方式(グレード)
個人・企業内のデータ消去方式
社員・個人のHDD、USBメモリのデータを消去する場合は、グレード 1~4の消去方式を選択して下さい。企業内・家庭内で再利用を前提とした場合に最適です。
1.ゼロライト消去方式
データ領域をゼロ(0x00)で上書きします。ゼロライト後はソフトウェアを使用したデータ復元は不可能です。残留磁気を読み取る装置で復元される可能性があります。
2.ランダムライト消去方式
データ領域を乱数で上書きします。ランダムライト後はソフトウェアを使用したデータ復元は不可能です。残留磁気を読み取る装置で復元される可能性があります。
3.NIST 800-88消去方式
アメリカ国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology)が推奨する最新のNIST800-88に準拠したSSDなどフラッシュメディアを消去する方式。ディスク全体の領域をゼロ(0x00)で上書きした後、書込検証を行います。
4.ランダム&ゼロライト消去方式
データ領域を乱数で上書きした後にゼロ(0x00)を上書きします。ソフトウェアを使用したデータ復元は不可能です。残留磁気を読み取る装置で復元される可能性があります。
機密情報・顧客データの消去方式
廃棄やリース返却するPCに機密情報や顧客データが入っている場合は、グレード5以上の消去方式を推奨しています。高度な消去方式を用いるため、消去完了まで時間がかかります。
5.NIST 800-88 Advanced消去方式
アメリカ国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology)が推奨する最新のNIST800-88に準拠したSSDなどフラッシュメディアを消去する方式。ディスク全体の領域を乱数で上書きした後、ゼロ(0x00)で上書きし、書込検証を行います。
6.現NSA方式 ランダム&ランダム&ゼロライト消去方式
ディスク全体の領域を乱数で二度上書きした後にゼロ(0x00)を上書きします。ソフトウェアの復元 および 残留磁気を読み取る装置で復元不可能です。
7.米国国防総省準拠方式 DoD5200.28-M消去方式
ディスク全体の領域を固定値(0xff)、ゼロ(0x00)、乱数で上書きします。米国国防総省で導入されたDoD5200.28-Mとして知られている消去方式です。ソフトウェアの復元 および 残留磁気を読み取る装置で復元不可能です。
8.米国空軍方式 AFSSI5020消去方式
ディスク全体の領域をゼロ(0x00)で上書きした後、固定値(0xff)、ランダム固定値で上書きし、最後に10%書き込み検証を行います。ソフトウェアの復元 および 残留磁気を読み取る装置で復元不可能です。
9.米国国防総省準拠方式 DoD5220.22-M消去方式
ディスク全体の領域を最初にゼロ、次に0xff、乱数で上書きし、最後に書き込み検証を行います。国内企業・官公庁で、最も採用されている方式です。ソフトウェアの復元 および 残留磁気を読み取る装置で復元不可能です。
10.米国海軍方式 NAVSO P-5239-26-MFM消去方式
ディスク全体の領域を固定値(0x01)、固定値(0x7ffffff)、乱数で上書きした後書き込み検証を行います。ソフトウェアの復元 および 残留磁気を読み取る装置で復元不可能です。
11.米国海軍方式 NAVSO P-5239-26-RLL消去方式
ディスク全体の領域を固定値(0x01)、固定値(0x27ffffff)、乱数で上書きした後書き込み検証を行います。ソフトウェアの復元 および 残留磁気を読み取る装置で復元不可能です。
12.旧NSA方式 Bit Toggle消去方式
ディスク全体の領域をゼロ(0x00)、固定値(0xff)、ゼロ(0x00)、固定値(0xff)の順に計4回の上書きを行います。ソフトウェアの復元 および 残留磁気を読み取る装置で復元不可能です。
13.ドイツ標準方式 VSITR消去方式
ディスク全体の領域をゼロ(0x00)と固定値(0xff)のパターンを3回繰り返し上書きし、最後に固定値(0xAA)で上書きします。ソフトウェアの復元 および 残留磁気を読み取る装置で復元不可能です。
14.グートマン(Peter Gutmann)推奨方式
ディスク全体の領域に対して最初に乱数を4回、その後固定値を27回、最後に乱数を4回、合計35回の上書きを行います。1996年にピーターグートマンによって紹介された方式です。ソフトウェアの復元 および 残留磁気を読み取る装置で復元不可能です。
ディスク内に搭載されている消去コマンドを利用して消去する方式
ディスクには確実にデータを消去するためのコマンドが内蔵されております。悪用・ユーザーの不本意な操作ミスを避ける為、Windows 8 以降 OSの仕様(制限)により Serial ATA接続ディスクに対し、このコマンドを実行できません。DiskDeleterは、専用ケーブルを利用しUSB接続させたディスクに対し、このコマンドが利用可能になります。
SSDの構造、SSDデータ消去の基礎知識、Secure Erase / 拡張Secure Eraseは、「SSDデータ消去の仕組み」をご参照下さい。
15.Secure Erase消去方式
SSDのマッピングテーブルを消去し工場出荷状態に戻す方式。SATA/IDE SSDに用意されているコマンドを使用し、高速にデータ消去を実行します。SSDのウェアレベリングを回避し、マッピングテーブルやメモリセルをゼロライティングで消去します。代替処理された不良セクタは「消去されません」。
16.拡張Secure Erase消去方式
SSD内部に設定された固有の値でデータを消去します。SATA/IDE SSDに用意されているコマンドを使用し、高速にデータ消去を実行します。SSDのウェアレベリングを回避し、マッピングテーブルやメモリセルをSSD内部に設定された固有の値で消去します。代替処理された不良セクタも「消去されます」。